都立高校の入試制度
都立高校の入試は「推薦入試」と「一般入試」があります。
都立高校の「推薦入試」の募集人数は、普通科が募集定員の20%(コース制は30%)まで、専門学科・総合学科などで30%(商業科は20%)までとなっています。
ここでは「推薦入試」「一般入試のしくみについて説明していきます。
都立推薦
都立高校の推薦入試は、「一般推薦」と「文化・スポーツ推薦」の2つがあります。
推薦における募集枠の大半を「一般推薦」が占めているのに対して、「文化・スポーツ推薦」は実施している高校も限られており、その割合はごく僅かとなっています。
一般推薦
「一般推薦」は内申(通知表の評定)、観点別評価(通知表のABC)、部活動、生徒会活動、校外活動、特記事項(各種検定・資格)などの調査書による評価、出願時に送付する自己PRカード(志願理由書)による評価、当日の面接、小論文、集団討論の評価によって合否が決まります。
足きりなどの基準はなく、トータルの特典を降順に並べ、上位のうち募集人員分だけを合格とする仕組みで、庁舎所による評価は全体の評価の50%程度になっています。
原則どの学校を受験する場合でも、ある程度は採点基準が統一されているわけですが、学校によって多少重きをおいている項目がそれぞれ違っているのが現状です。
なお、合格した場合は辞退することができないため、基本的には第一志望校であることが前提となります。
文化・スポーツ推薦
「文化・スポーツ推薦」は特定の科目、文化活動、スポーツ種目等の実績や技量が高い生徒を募集する推薦制度です。
実施している高校は限られており、その割合はごく僅かとなっています。
多くの場合、同校の一般入試での受験実績が必要となります。
都立一般
都立高校の一般入試は、当日の得点および内申(通知表の評定)の合計を1000点満点で算出し、その得点によって合否がきまります。
推薦同様、足切りなどの基準はなく、トータルの得点を降順に並べ、上位のうち募集人員分だけを合格とする仕組みで、大半の学校が試験の得点を70%、内申の評価を30%としています。
原則どの学校を受験する場合でも、採点基準、試験問題は統一されているわけですが、一部の学校では、主要3科目のみ自校作成の問題を出題したり、特定の科目の得点に倍率をかけて算出したりする場合があります。
{(国語)+(数学)+(英語)+(社会)+(理科)}×1.4
=700点満点
{(主要5科目)+(実技4科目)×2}×300/65
=300点満点
私立高校の入試制度
私立高校は、入試日程や選抜制度などを各学校が決めており、その内容は様々です。
都内の私立高校の場合、大きく分類すると、1月下旬に実施される「推薦入試」と2月中旬に実施される「一般入試」に分けられます。
私立推薦
私立高校の「推薦入試」には3種類あります。
A推薦と呼ばれる「単願推薦」と、B推薦と呼ばれる「併願推薦」、そしてC推薦と呼ばれる「自己推薦」です。
単願推薦(A推薦)
私立の単願推薦は、合格した場合は辞退することができないため、基本的には第一志望校であることが前提となります。
その代わり、他の推薦制度と比べると比較的基準が低く、かつ多くの場合、基準を満たしていれば合格が可能な推薦制度です。
一部の上位校では、当日適性検査(3科目の筆記試験など)を実施しそれを踏まえて合否を決めるケースがあります。
その場合は、基準を満たしたからといって合格できるわけではなく、当日きちんと得点をとっていく必要があります。
ただし、もし不合格になった場合でも、一般入試での加点がある学校がほとんどです。
私立併願推薦(B推薦)
私立の併願推薦は、単願推薦と同じ日に実施する推薦制度でありながら、合格した場合でも、他の学校への併願が可能な推薦です。
それ故、単願推薦と比べると基準が高い場合がほとんどです。
併願推薦はかつて、都内の公立中学校に通う生徒も対象となる入試制度でした。
しかし今は、都内の公立中学校に通う生徒は、都内の私立併願推薦制度を使うことはできません。
ただし、都内の公立中学校に通う生徒でも、県外の私立高校を受験する場合はこの制度を利用することができます。
私立自己推薦(C推薦)
私立自己推薦は、他の推薦制度が学校長推薦なのに対して、基準を満たしていれば、個人単位で出願ができるタイプの推薦制度です。
採用している高校がかなり限られてくるのですが、対象校を第一志望として受験する場合は、受験機会を増やすことができるため、必ず受験すべき制度と言えます。
私立一般
私立の「一般入試」は大きく分けて3種類あります。
「第2志望優遇」と、「併願優遇」、そして当日一発勝負のいわゆる「一般入試」です。
都立とは異なりいずれも募集人員よりも多く合格者を出す場合が多いです。
第2志望優遇
「第2志望優遇」は一般入試と同じ日に実施し、第一志望校が不合格だった場合ににゅうがくすることを前提としてという実の得点に加点をし、合格可能性を引き上げる制度です。
得点への加点が多く、合格可能性は限りなく高くなりますが、他の私立高校への併願が不可となるため、複数の私立高校を受験したい場合は利用することができません。
併願優遇
「併願優遇」は「第2志望優遇」と同様、一般入試と同じ日に実施し、第一志望校が不合格だった場合に入学することを前提として当日の得点に加点をし、合格可能性を引き上げる制度です。
「第2志望優遇」と異なる点として、他の私立高校への受験が可能であることが挙げられます。
私立・都立とも併願可能なため、いわゆるすべり止めとしてこの制度を使っていく場合が多いです。
ただし、「単願推薦」と比較すると出願基準が高い場合がほとんどです。
一般入試
「一般入試」は、数ある高校入試制度の中で、唯一内申を評価に含めないタイプの試験で、当日の得点のみで合否が決まります。
都立とは異なり募集人員よりも多く合格者を出す場合が多いです。