内申点とは
内申点=「通知表の評価点」
内申点とは、簡単に言えば「通知表の評価点」のことです。
国語、社会、数学、理科、音楽、美術、体育、技術・家庭、外国語、9教科、5段階45点満点の得点です。
調査書との違い
内申点は高校あてに提出する調査書の一部資料であり、そのうち「通知表の評価点」のみを指すのに対して、調査書とはその資料の一切を指します。
調査書には内申点のほかに、出欠席や遅刻、早退の状況を表す「出欠の記録」、担当教諭による日常生活の評価を表す「行動の記録」、校外活動や部活動、資格、検定の取得状況を表す「特別活動・部活動の記録」「特記事項」、そのすべてを鑑みた総合評価を表す「総合所見」があります。
内申点の役割
内申点は高校入試において、志望校の選定や合否に大きな影響を与えます。
多くの場合、内申点より学力検査の方が比重が多くなっていますが、私立の単願推薦や併願推薦、併願優遇、第二志望優遇などの制度においては内申の比重は極めて大きく、ほぼ100%内申点によってその合否が決まる場合もあります。
部活動や生徒会活動は影響するか
基本的には部活動や生徒会活動の内容や継続期間などの状況が悪影響を与えることはまずありません。
ただし、都立の推薦や私立の単願推薦、併願推薦、併願優遇、第二志望優遇などの制度を利用する場合は、加点材料になり得ます。
都立高校の推薦入試における部活動や生徒会活動の評価
都立高校の推薦入試では、「通知表の評価」だけでなく部活動や生徒会活動の内容も評価の対象となります。
ただし、「通知表の評価」「作文」「面接」「集団討論」が評価の多くを占めるため、加点要素としては軽微なものといえます。
私立高校の推薦入試における部活動や生徒会活動の評価
私立高校の単願推薦、併願推薦、併願優遇、第二志望優遇では、各高校がその制度を利用するにあたって一定の基準を設けています。
その基準を満たさなければ出願できないわけですが、もし基準を満たしていなくても、部活動の3年間継続や生徒会活動の記録が内申点に加算され、基準をクリアできる場合があります。
ただし、全ての高校で加算されるわけではないため、学校ごとに受験要綱を調べていく必要があります。
英検、漢検、数検はとっておくべきか
英検、漢検、数検について、都立の場合は部活動や生徒会活動とほぼ同様と考えてよいでしょう。
私立の場合は部活動や生徒会活動と比べると内申点に加算されるケースが多く、単願推薦、併願推薦、併願優遇、第二志望優遇とも有利に働く場合が多いため、取得しておくに越したことはありません。
ただし、検定は少なくとも3級以上、上位校では準2級や2級程度でないと加算されない場合もあるため、検定取得もよいですが、「内申点の評価」を上げることを優先したほうがよいと言えます。
素内申・換算内申の違い
内申点について調べていくと素内申・換算内申という言葉を目にする機会も増えてきます。
素内申・換算内申とは何でしょう。
それぞれ説明していきます。
素内申
一言で言えば、先に述べた9教科45点満点の得点です。
中学校によって、また担当教諭によって内申点の算出の仕方が異なるため、単に定期テストの点数をとれば良いかというとそうではありません。
提出物の完成度や授業態度、発言の量についても評価の対象となります。
かつては相対評価といって5・4・3・2・1のそれぞれに対して評価を付ける生徒の割合と人数が定められていましたが、現在は絶対評価です。
学年の中に何人5の評価をもらう生徒がいても、1の評価をもらう生徒がいてもよい状況です。
なかなか評価が上がらないと悩んでいる人がいたら、定期テストの点数以外にも目を向けてみるとよいでしょう。
換算内申
換算内申とは都立高校の一般入試において、素内申に傾斜をかけて計算し算出する内申点です。
現在、主要5教科については「×1」つまりは等倍するのに対して、実技4教科については「×2」、つまり2倍の評価となります。
(国語5+数学5+英語5+社会5+理科5)×1=25点満点
実技4教科
(音楽5+美術5+体育5+技術・家庭5)×2=40点満点
合計9教科
25+40=65点満点
都立の一般入試において、実技4教科の内申点は主要5教科の2倍の価値があります。
1000点満点の評価のうち内申「1」は4.6点分に相当します。
大した違いではないと考える人も少なくないと思いますが、仮にオール「5」の評価の生徒とオール「1」の評価の生徒がいた場合、オール「5」の生徒の1000点満点中の得点は300点、オール「1」の評価の生徒の1000点満点中の得点は60点となるため、最大で240点分の違いが生じます。
塵も積もれば山となる。
軽視せず、内申点の向上に努めましょう。