中学入試の仕組み

私国立中学の入試制度

私国立中学の入試は、「推薦入試」と「一般入試」があります。

推薦入試」は高校入試や大学入試と比べるとその割合は非常に少なく、私国立を受験する場合は、原則「一般入試」を受験するものと思っておいて間違いないでしょう。

私国立中学の推薦入試

私国立中学の推薦は、高校入試における「単願推薦」と同様、第一志望の学校に入学することを確約したうえで有利な基準で選考を受ける入試制度です。

推薦の形態としては、通う小学校の学校長に推薦してもらう「学校長推薦」と、自分で推薦書を書く「自己推薦」があります。

学校長推薦

学校長推薦」は、成績基準を設けていることがほとんどです。

基準を満たしていなければ推薦を受けることができないため、低学年からよい成績を残すよう意識する必要があります。

「推薦入試」は一般入試と同日程か、あるいはやや先行して1月に行われることが多いのですが、早期に生徒を確保するという意味で12月に推薦入試を行う学校もあります。

自己推薦

自己推薦」は、「学校長推薦」とは違い、自ら自己推薦書を作成して、ほかの書類と合わせて出願します。

「学校長推薦」ほど明確ではないものの、応募基準が設けられている場合があるので、出願可能か否かをきちんと確認する必要があります。

私国立中学の一般入試

私国立中学の一般入試は、各学校の「入試要項」に従って行われます。

試験科目は4教科(国語・算数・理科・社会)もしくは2教科(国語・算数)がほとんどですが、公立中高一貫校の入試を模した適性検査を実施する学校、私国立中の受験カリキュラムに準じず、公立小学校のカリキュラムに準じたAO入試を実施する学校もみられます。

4教科入試

4教科入試とは、「国語」「算数」「理科」「社会」の4科目で受験するタイプの入試です。

中学入試では、この4教科入試が基本になります。

4教科における配点については、国語100点、算数100点、理科100点、社会100点の400点満点とする学校もあれば、国語100点、算数100点、理科50点、社会50点の300点満点のように、理科や社会の配点が少ない学校もあり、受験する学校によって様々な配点があります。

2教科入試

2教科入試とは、「国語」「算数」の2科目で受験するタイプの入試ですが、学校によっては、「国語」「算数」「理科」「社会」の4教科から2教科を選択するという学校もあります。

2教科入試は、特に午後入試などで、採用している学校が多いため、4教科入試と併用して、受験する際に有効活用する場合が多いです。

また、2教科入試の配点についても学校により様々です。

AO入試

中学入試におけるAO入試は、私国立中の受験カリキュラムに準じず、公立小学校のカリキュラムに準じた入試問題を課す場合が多いです。

通常の入試問題と比べると難易度が低い問題が多い代わりに、問題数が極めて多く、採点方法も積み上げ式(問題番号が若い問題から採点し、不正解の問題があった段階で採点を終了して、そこまでの正答数のみ得点化する方式)である場合があります。

公立中高一貫校の入試制度

公立中高一貫校の形態

公立中高一貫校には、「中等教育学校」「併設型」「連携型」の3つの形態があります。

中等教育学校

「中等教育学校」は、完全中高一貫の公立バージョンと考えるのが良いでしょう。

一つの学校として6年間、一体的に中高一貫教育を行います

前期課程(中学校)と後期課程(高等学校)の指導内容の一部を入れ替えられるなど、柔軟なカリキュラムが可能となっているので、より私立の中高一貫教育に近い形で連続性を持った6年間をすごすことができるといえます。

併設型

「併設型」は、中学入試と高校入試のそれぞれで入学者を選考するタイプの一貫校です。

中学入試で合格した場合は、無選考で高校への進学が可能となっています。

前期課程(中学校)において、必修教科の授業時数を年間70単位時間までなら減らして、その分を選択教科の授業時数に充てることができます。

また、後期課程(高等学校)においても、学校設定教科・学校設定科目を30単位まで卒業に必要な修得単位数に含めることができ、特色ある教育が行いやすい環境になっています。

連携型

「連携型」は、中学入試と高校入試のそれぞれで入学者を選考するタイプの一貫校です。

中学入試で合格した場合は、無選考で高校への進学が可能となっています。

前期課程(中学校)と後期課程(高等学校)のそれぞれ3年単位で指導内容のを入れ替えられるなど、柔軟なカリキュラムが可能となっています。

公立中高一貫校の選考

公立中高一貫校の選考枠は「特別枠/帰国子女・在京外国人枠」と「一般枠」があります。

特別枠/帰国子女・在京外国人枠

小石川中等教育学校、白鷗高等学校附属中学校には特別枠、立川国際中等教育学校、白鴎高等学校附属中学校には帰国子女・在京外国人枠があり、ごく限られた人数ではあるものの、一部の生徒をその枠から選考します。

いわゆる推薦入試に近い性質をもつ入試制度ではありますが、要件を満たさない場合は、合格者0名ということもあるので、受検機会を増やす材料程度に考えておくのが妥当でしょう。

一般枠

一般枠では、適性検査の得点と報告書(通知表)の得点の合計によって合否が決まります。

足切りなどの基準はなく、トータルの得点を降順に並べ、上位のうち、募集人員分だけを合格とする仕組みです。

適性検査と報告書の得点と割合》

  総合成績
適性検査 報告書 満点
満点 割合 満点 割合
東京都立大泉高等学校附属中学校 800 80% 200 20% 1000
東京都立小石川中等教育学校 600 75% 200 25% 800
東京都立立川国際中等教育学校 800 80% 200 20% 1000
東京都立白鴎高等学校附属中学校 800 80% 200 20% 1000
東京都立富士高等学校附属中学校 900 82% 200 18% 1100
東京都立三鷹中等教育学校 800 80% 200 20% 1000
東京都立南多摩中等教育学校 800 80% 200 20% 1000
東京都立武蔵高等学校附属中学校 1200 75% 400 25% 1600
東京都立両国高等学校附属中学校 800 80% 200 20% 1000